現場組織を大幅増員 監督強化も
東御市本海野の千曲川護岸で進められていた災害復旧工事における施工上の不具合について、受注者の大林組北陸支店は2月9日、護岸を全面的に取り壊し、再設置する工事に着手した。6月上旬の完成を予定している。
再施工にあたっては、大型ブロックの設置と胴込めコンクリートの打設を1段ずつ施工することとし、生コンの打設による大型ブロックの変位を監視してズレを防止したり、胴込めコンクリートは2層打ちし、打設後は寒中養生して、養生温度も常時計測する―などとした。
現場組織は、元請に河川工事経験者がいなかったところを5人に、現場担当技術者は7人だったのを22人に、下請業者についても河川工事経験者がいなかったところを34人に、法覆工で河川工事の大型ブロック張経験者がいなかったところを24人にする。また、本社・支店からそれぞれ品質証明確認員、品質証明員による確認を行うとした。
発注者側の北陸地方整備局も監督体制の強化方針案を示し、主任監督員を1人だったところを2人に、また、施工体制台帳のヒアリングや段階確認項目の追加と回数増、本局の技術検査官による施工体制点検の実施などを行うとした。
同社では資材について、他の工事現場・地元建設業者の材料納入を阻害しないよう、安定的に納入できることを生コン工場、大型ブロック製造業者と調整済みとした。計画工程については、夜間作業はせず、月曜日から日曜日の昼間施工(早出残業7時~19時)で、法覆護岸工のほぼ全スパンが同時並行で作業するなどにより、隣接する東御市道白鳥神社線の復旧工事の工程に影響させないとしている。再施工に必要な日数を120日とした。
不具合は、大型ブロック設置の際の胴込めコンクリートの充填不足による空洞が4348カ所、法覆大型ブロックの段差や目開きなどが9123カ所、法留基礎の未施工が2カ所計112m、護岸端部の処理不備も2カ所確認された。
同社と同局千曲川河川事務所では1月24日から26日までの3日間住民説明会を開催。そこで出た意見や要望を踏まえ、同社は1月29日に改善計画書を同局に提出。2月8日に再提出していた。
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