生コンや資材、地元との調整求める声~東御の千曲川護岸 不具合で説明会~

大林組「迷惑にならないように考えている」

 東御市本海野の千曲川護岸で権限代行により進められていた災害復旧工事の施工上の不具合について、国土交通省千曲川河川事務所と大林組北陸支店は1月24日から26日までの3日間にわたって、住民説明会を東御市内で開いた。同社から不具合の発生原因と改善に向けた方針、工事期間などについて説明が行われた。

 最終日となった26日の説明会では、再施工に必要な生コンの供給を巡って参加者から「前回は地元のプラントからだったか。今回も地元からの供給で、日曜日も確実に供給されるのか」と心配する声に、同社は「今お願いをしているプラントは日曜日も出すとの話をいただいている」と説明。

 別の住民から「自分も建設業に従事しており、いま復旧工事が本格化する中で、コンクリートや資材関係が逼迫してきている。これらが一番大きい工事に流れないか心配。地元との調整をお願いしたい」と伝えると「一度に大きなコンクリートを打つ予定はなく、定量的に打っていく段取りをしている。皆さんのご迷惑にならないように考えている」と回答した。

 不具合は、大型ブロックの設置の際の胴込めコンクリートの充填不足により空洞が生じているところが4348カ所、法覆大型ブロックの段差や目開きなどの施工不良が9123カ所、法留基礎の未施工が2カ所で計112m見つかったほか、護岸端部の処理不備も2カ所で確認された。

 こうした不具合が発生した原因について、同社は大型ブロック工事の難易度に対する理解や重要性の認識が不足していたこと、協力会社の配置技術者が主任技術者1人で目が行き届かなかったこと、河川工事を経験したブロック工を配置できなかったこと、本社支店のチェック機能が不足していたこと―などを挙げ、今後の対策として河川工事経験のある現場担当技術者を中心とした体制に刷新し、技術者の増員や河川工事経験のあるブロック工の配置、支店の品質証明員を常駐させ、本店の品質証明確認員がその職務を週1回以上確認する―などとした。

 26日の説明会では、24日と25日に住民から寄せられた意見に対する同社の回答が紹介された。同社は再施工の工事期間について105日~170日の4案を提示し、このうち「土日とも昼夜施工で最短となる105日を考えている」としたが、住民から「不具合は工期短縮が原因。取り壊しから再施工を105日で行う突貫工程では事故が発生するのではないか」との意見に「元請職員や施工会社の管理者の数を増やし、夜間でも十分な品質管理ができる」と説明しつつ、「3回の地元説明会で意見を集約し期間を決定したい」とし、25日の説明会後、現場から最も近い地区の参加者の意向を確認。「土日とも昼間のみで早出残業も加えた128日をベースにもう少し工期を縮める案」を総論として紹介し、「整理し計画に反映させたい」とした。

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