【現場事例】河川の水位監視~IoT技術を活用した計測と遠隔監視~

電源工事不要も決め手、監視業務の負担軽減と安全も確保
 激甚化する豪雨災害。豪雨によって急激に水位が上昇し、河川氾濫による大規模な水害が発生する。水位の上昇を早期に察知し、水害リスクの危険度の高まりを判断し、様々な対応が求められる。大規模河川や中小河川を問わずその対応は必要。また河川を管理する国や自治体以外にも、河川工事などの現場でもそれは同じだ。

わずかな初期費用で開始できるサービスを活用
 2019年の台風19号で堤防が決壊した長野市穂保地区の千曲川。その復旧作業では、IoT技術を使い千曲川の水位監視を遠隔で行っている。現場責任者を務める北條組(長野市)の丸山憲志工事長は「遠隔管理システムの導入はこれまでも検討してきたが、常設型の水位計は設置費用も高く、簡単に導入することが難しかった。今回、わずかな初期費用で導入できるサービスを見つけ、遠隔監視の導入に踏み切った」という。
 利用したのはアムニモの簡易水位計測サービス(NETIS登録製品)。月3万円~の月額料金で開始できるサービスだ。丸山氏は「低コストも魅力だったが、決め手は電源工事が不要な点。河川の現場では電源の確保に手間がかかる。内蔵電池(リチウム)で運用できる点にメリットを感じた」と語る。

パソコンやスマホで状況確認
 同現場は、台風災害で被害を受けた低水護岸の本復旧工事。常に水が流れる低水敷でクレーンを使ってコンクリートブロックで補強する工事。水位の監視は、現場上流約50mの場所にセンサーと計測データの送信設備を設置(写真左)し、現場事務所のパソコンやスマートフォンで水位の状況を確認している。河川敷の高さを「0m」として、その20㎝下を危険水位、さらに50㎝下を警戒水位として監視している。水位が危険水位に達するとアラートで警告通知がだされるようにも設定されている。
 丸山氏は「水位の変化は作業の中止判断や従事者の安全を確保するうえでとても重要。いつ、どこにいても現場の水位状況をリアルタイムに知ることができるのは、とても安心。増水によって水位の上昇の恐れがある際に、従来型の測定定規を確認しにいくのは危険。遠隔監視の導入は現場管理の負担軽減と安全にも寄与している」と説明する。

月額3万円から、水位計や通信費もセット
 アムニモの水位計測サービは、①無線水位計と携帯電話回線によるデータ通信②水位の状況をパソコンで監視できるクラウドサービス―をパッケージ化した商品。利用者は、契約後に提供される無線水位計を設置し、電源を起動させるだけで簡単に計測・監視を開始できる。通信契約や遠隔監視システムの準備などの作業も必要は無い。利用料は月額3万円(税別)から使える2年契約のプランのほか、契約期間(最短3か月から)にあわせ、いくつかの料金プランを用意している。データ通信回線はドコモの3G を使用。水位測定は0~ 10 m、測定制度は± 10㎜という仕様だ。重量は約3kg、センサケーブルの延長は最大30 mまで対応が可能だ。
 同製品は、建設現場以外でも幅広く活用が進む。河川の増水で水位計が被害を受け、ローカルで保存したデータ記録媒体(SDカードなど)が消失してしまってもクラウド上に保存できている点が有効として、自治体などでは中小河川の監視にも使われている。

株式会社北條組
土木事業本部 土木第三課
工事長
丸山 憲志氏