現地発生土活用の砂防えん堤構築技術「SBウォール工法」

掘削土処分費など建設コスト縮減や災害復旧でも広く活用(日鉄建材)

 SBウォール工法は、建設現場で発生した土砂を活用して砂防えん堤(土石流対策を含む)を構築する砂防えん堤構築技術。現地土砂をセメントと水で攪拌・混合固化したINSEM材(砂防ソイルセメント)を堤体の主材料(内部材)に使用。外部の保護材には景観配慮型のコンクリートブロックや衝撃に優れた鋼製材(軽量鋼矢板)を組合せ、砂防えん堤を構築する。
 「これまで現場掘削によって発生した土砂は、建設残土として外部で産廃処理されることが一般的だったが、同技術は、発生土砂を改良し内部材として活用。現場発生土を有効活用することで、従来の重力式コンクリートえん堤に比べ建設コストの縮減が可能だ。また上流外壁材(軽量鋼矢板)を配することで、土石流対策えん堤として、コンクリート砂防えん堤と同等レベルの耐衝撃性も確保している」(同社担当者)と話す。
 SBウォール工法は、日鉄建材と共和コンクリート工業、インバックスの3社共同開発技術。2005年に建設技術審査証明を取得して以来、これまで400基を超える施工実績を有する。
 また、近年多発している自然災害の復旧事業で、 2012年7月の九州北部豪雨、2016年の熊本地震などでは、集中プラント方式による施工で多数の砂防えん堤を短期間に構築。このほか、2017年7月九州北部豪雨や2018年7月豪雨、 北海道胆振東部地震の復旧事業でも数多く工法が採用され、現在、工事が進められている。
 建設技術審査証明(砂防技術/技審証第0503号)、NETIS登録技術。

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