鷲澤克弥さん(今井工務店・小谷村)

海底で見えないブルを熟練技で操縦、培った知識や技術を若手に伝えたい

 全国で数人しかいない無線遠隔操縦の水陸ブルドーザのオペレータとして活躍する鷲澤克弥さん。海底に潜り見えないブルドーザを熟練技で操る技術は神業だ。海の中では水が濁り水中カメラは使えず、海面から伸び出た吸排気パイプの角度や高さ、吹き出る煙の量や振動を頼りに操縦を行うという。
 15年前に今井工務店に入社。以来、無人化施工チームの一員として全国各地の現場を飛び回り、知識と技術を磨いてきた。
 東日本大震災では、その経験を活かし、震災直後から約2カ月間、宮城県東松島市内の運河復旧作業に従事した。「近年は災害が頻発。本来、我々の技術が必要とされないこと(災害が起こらない)が一番なのですが、何かあったときに自分の技術が社会の役に立つ、そんな仕事していることには誇りを感じている」と。
 実績と技術力が高く評価され、4年前からは無人化施工の訓練指導員としても活躍する。11月下旬には九州地方整備局管内で開催される『無人化施工訓練in桜島』に会社代表として参加予定だ。「経験や技術を社内の若手や業界で働く人たちに伝え、会社や業界全体の発展に少しでも貢献できれば嬉しい」。社内3人目となる受賞については「先輩方に少しは追いつけたかな」と照れながら喜んでいた。
(2019年優秀施工者国土交通大臣顕彰受賞インタビュー/新建新聞2019年11月掲載)