507kJの落石エネルギーに対応する落石防護柵(プロテックエンジニアリング)
スロープガードフェンスタイプLRは、落石の危険性がある斜面に近接する道路際や民家裏などに設置する高エネルギー吸収型の鉛直式落石防護柵。衝撃エネルギーを構造物全体で分散・吸収して落石を捕捉する。
特長は①支柱を直接地山に建て込む杭基礎構造であるため、設置スペースの狭い現場や斜面上など、様々な立地での施工が可能であること②ワイヤネットと、水平に等間隔で配置されたワイヤロープを連結することで、落石が阻止面に衝突したときの衝撃力を衝突位置以外のワイヤロープに荷重伝達。効率よく衝撃エネルギーを分散、吸収して落石を捕捉できること③ワイヤネットの変形量が小さく、積雪や堆積土砂の静荷重にも対応することができること-など
スロープガードフェンスタイプLRの構造(上図参照)は、支柱、ワイヤネット、ワイヤロープ、緩衝装置、金網で構成されている。
支柱部材は、外部鋼管内に複数の小口径鋼管や鉄筋を配置し、隙間にモルタルを充填した「蓮根型中空構造鋼管(LST鋼管)」を採用しており、従来のコンクリート充填鋼管を大きく超える高耐力と軽量化を実現したという。
ワイヤネットと、水平に等間隔で配置されたワイヤロープを連結することで、落石が阻止面に衝突したときの衝撃力を衝突位置以外のワイヤロープに荷重伝達し、効率よく落石エネルギーを分散、吸収。また、ワイヤネットは上辺ロープにも連結されており、柵高の低下を抑制する。実物供試体による衝撃載荷実験での残存柵高は、初期柵高の80%を保持した。
ワイヤネットは、ワイヤロープの交点を連結部材で固定して網目(メッシュ)を形成。ワイヤロープの連結部材が網目の広がりを抑制する。同社広報によると「ワイヤロープのみを用いた防護柵と比べて、落石や土砂のすり抜けを防ぐことができる」という。